システム制御や信号処理,あるいは機械学習といった分野では,雑音や誤差を含んで観測される信号に基づいて様々な処理を行う場面が多い.不確定性を伴なって観測されるデータを記述するための道具立てとして確率論と統計学があるが,本講義では多くの工学分野で必要とされる確率・統計について基本的な考え方を学んでもらう.まずはじめに測度論に基づいた確率論を概説し,数学的な枠組に慣れてもらう.その後統計的な手法として,推定論と検定論の基礎を学んでもらう.